昨日のレポートの続きとポイントの修正である。
一昨年のスコットランド独立を巡る国民投票の際に、改めて「イギリス」という国家のことを勉強し直したひともいるだろう(実は僕もそのひとりである)。正式名称は、「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国」であり、そのなかに、イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドの4つの国がある。これはサッカーファンなら、現在開催中のユーロカップやワールドカップに出場するのは、「英国」というチームはなく、イングランドやウェールズがそれぞれのユニフォームと国旗を掲げて戦っていることで馴染みがあろう。
今回のEU離脱を問う国民投票は、「英国」全土で382の集計所(英語ではCounting Officer)で行われ、それを12の地方で集計するシステムになっている。12の地方とは、9つの地方があるイングランドにウェールズ、スコットランド、北アイルランドの合計である。
このうち、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドは残留でほぼ決まりとみてよい。問題はイングランドである。漁業問題で不満の多い沿岸部や東欧からの移民が多い東部は離脱派が多い。地図で赤く塗った地方だ。但し、人口はそれほど多くないのでこれらの地方が離脱多数となっても全国レベルの決定打にはなるまい。
やはり人口850万人を抱えるロンドンが鍵を握る。ロンドンはビジネスの拠点であり、そもそもリベラルな国際都市だ。残留派優位である。
もうひとつの目玉はケント州などのあるサウスイースタン。一部がロンドンのベッドタウンにもなっていることから人口はロンドンを上回る。この地域の世論は離脱・残留で拮抗しておりどちらに転ぶかわからない。
地方別の開票時間を見ると、ロンドンやスコットランドなど残留優位の地方は早い時間に開票が進む。だから24日は最初は残留期待の高まりから株高・円安となる可能性が高い。だが、そのうち離脱派の多い地方の開票が進むと再び不透明感が増すだろう。なので、勝負はサウスイースタンの票の行方である。ここを集中的に見ていくべきだろう。サウスイースタンの態勢がほぼ決まるのは午後1時前だ。勝負はこの時間までに決すると思われる。昨日のトレーディング戦略を若干修正したい。
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