サンプラザ中野だー!
前回「過去じゃないのに過去形・よろしかったですか?」問題について書いた。かつてないほどの反響メールをもらった。この問題が平成日本の大問題なのだと認識できた。ある意味デフレよりも深刻だ(この「ある意味」っていうのもねー)。
色々な説が寄せられた。名古屋方言説。東北方言説。北海道方言説。そして外国語マニュアル誤翻訳説である。これらを検証しているテレビ番組もあったそうだ。読者(Mis Miyajima)によると「マニュアル誤翻訳説」は番組による検証の結果シロだったそうだ。彼女は北海道方言説を押している。番組でも「これが怪しい」としていたそうだ。
居酒屋チェーンなどは北海道から進出している企業が多い。そして彼女のダンナ(北海道出身)はこの「過去現在形」を違和感なく使っている。北海道では当たり前。むしろ「よろしいですか?」よりも暖かさを感じる、とまで発言しているそうだ。
俺も「北海道方言説」を支持する。北海道の日本語の歴史は短い。そして海によって隔てられていたゆえ、独特の進化を遂げたはずだ。オーストラリアしかりガラパゴス諸島しかりである。
そもそも北海道は「流行の発信地として名高い」。特に俺が生息する音楽業界ではそう認識されている。札幌のラジオで流行れば全国区間違いなし!と。札幌でブレイクしたアーティストは枚挙にいとまがない。あの大きなのっぽの平井堅君も、である(確か)。しかしお菓子・食品などは静岡県でモニターされる事が多いらしい。つまり北海道民はこと「音」に対して鋭敏なのではないだろうか。
そして、言葉と音といえばラップである。言葉を音とリズムで捉える。文法や習わしは後回しである。特に韻を踏むことが重視される。人は韻を踏むと気持ちがよいのである。
で、「よろしかったですか?」であるが。分析すると、最後の「か?」と問題の「かった」の「か」が韻を踏むのである。「かった」の「た」も母音Aなので同様である。つまり発していて心地良いのである。聞いていても気持ちが良い。ぜんぜん逆じゃないのに「逆にですねぇ」と話す人がいる。これも意味よりも気持ちの良さ(リズム)に重点が置かれている。
まとめよう。話し言葉は意味よりも音・リズムが重視される。北海道民は音に敏感だ。「よろしいですか?」は韻を踏んでいない。「よろしかったですか?」は韻を踏んでいる。気持ちいい。ゆえに海が隔てた北海道で一般化した。近年北海道の外食チェーンのマニュアルが内地に上陸。ラップミュージック等の影響で音・リズムに目覚めた若者が意味を考えずに導入。そして全国制覇。
皆さん、これでよろしかったですか?
というわけで一件落着。株も騰がってめでたしめでたし。
サンプラザ中野:数々の爆発的ヒット曲を生み出してきた「爆風スランプ」で活躍。現在新たに「サンプラザ中野とノンスモーカース」を結成。
自身のホームページでも意外な側面を見ることができる。
http://www.kk.iij4u.or.jp/~sunplaza/