日経平均は先週末、75日線(22,466円 8/24)までの短期・中期・長期の移動平均線のフシが重なる密集地帯を上回りました。ここからの上値の注目ポイントは、5月高値(23,050円)を起点とした上値抵抗線、そしてボリンジャーバンド(20日)でいうところの+2シグマ(22,835円 8/24現在)です。 第512回「日経平均のバンド幅」でも少しお話しましたように、8/13の強い下げでいったん-2シグマを下回りましたが、その一瞬だけですみ、逆にここまで急速に盛り返しています。このまま、+2シグマを上抜ける場合は強気サイン。8/13の下げが「ダマシ」となります。「ダマシ」がひっくり返ると反動が大きくなるかもしれません。
思い起こせば、昨年11月の高値に向けて16連騰した上昇相場の直前にも、いったん-2シグマを下回り下落圧力が強まる場面がありました。当時と同じようになるとすれば、「オータム・ラリー」もありえる。

今後の物色の観点では、例えば、TOPIX1000(上場全銘柄の中から時価総額と流動性の高い1,000銘柄)を対象に、年初来高値と年初来安値の時期を調べてみました。何がみたかったかというと、1月に年初来高値(日経平均も1月高値)を付けた銘柄かつ、8月に年初来安値(日経平均は3月安値)を更新した銘柄はどの程度あり、どんな業種に多いのか、ということ。結果は、1,000銘柄のうち、186銘柄が該当しました。これだけ長い期間調整すると、1月の年初来高値から「三段下げ」となっているものが多い。三段下げにもなると、大抵、RSI(相対力指数)などのオシレータ指標には強気のダイバージェンス(株価は三段下げ目で年初来安値を更新している一方、RSIは安値を更新していない)が生じているものが多いわけです。所謂、買いサインになりえるものです。
では、どんな業種に多いかどうか。業種別に分けて正確に数えたわけではないですが、銘柄コードの「4,000番台」、「5,000番台」、「6,000番台」が多かったように思います。「4,000番台」に多い化学株、「5,000番台」に多い鉄鋼・非鉄株、「6,000番台」に多い機械株や電機株(半導体製造装置関連含め)の中から、強気のダイバージェンスの可能性が高く、9月末を見据え、配当利回りが高いものを選ぶといった戦略はありかもしれません。

東野 幸利
株式会社DZHフィナンシャルリサーチ

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