12月はボーナスシーズンでもあり、年末調整などで還付金も発生します。それで投資を考えるとすれば、何に振り向けるか?
12/12付けの日本経済新聞の1面に、ビットコインの話が大きく掲載されていました。本文中には、「都内に住む男性会社員がボーナスも投入してビットコイン800万円分を投資した」と書いてありました。レバレッジが効いた額なのかはわかりませんが、こういったボラ高の短期運用を手掛ける方もいます。

来年はますます熱くなりそうな仮想通貨。ビットコインの先物取引が今月から始まりました。きっと、先物主導の値動きになってくるでしょうから、今まで以上にボラタイルな値動きになることが予想されます。CBOEやCMEとは違い、米インターコンチネンタル取引所(ICE)は参入を見送っているようですが、米国で一時問題になった複数の取引所間でサヤを抜いて稼ぐ超高速売買などもいずれ頭角を現してくるでしょう。
一方、株式市場でボラタイルなマーケットとして、来年に向けての仕込みは、マザーズ市場ではないでしょうか。2017年に指数が27年ぶりの高値を更新したジャスダック市場にはパフォーマンスは負けそうですが、2018年はマザーズの順番。仮想通貨が仮にクラッシュした場合、一時的に株式市場にも悪影響があるかもしれませんが、仮想通貨でこなれた資金が同じボラタイルな市場に入ってくれば、マザーズのバブル高もありえる。希望的観測もあってか、少し大げさ気味に書いてみました。ただ、マザーズ指数だけをみると、チャートは相当エネルギーが溜まっているようにみえます。

話がそれましたが、ボラ高の短期運用に相反して、長期安定型投資の公募投信では12月は設定が多くなる時期です。当然、ボーナスがでるのを見込んでのこともあると思います。その分、11月の設定は減少する傾向にあります。昨年をみると11月が816億円に対して、12月は1,616億円程度に倍増。今年の11月は256億円程度だったようです。ただ、少ないながらも特徴があったのは、ESG投資を主体とするETFが出てきたこと。ESG投資とは、Environment(環境)、Social(社会)、Governance(統治・ガバナンス)の頭文字をとったもので、それらの評価が高い企業に投資する運用です。日本では、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が国内株式を対象にしたESG指数を昨年公募し、27指数あった中からベンチマークとなる指標を3つ(FTSE Blossom Japan Index、MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数、MSCI日本株女性活躍指数)選び、実際1兆円程度(国内株全体の3%程度)をパッシブ運用しているそうです。
11月にアセットマネジメントワンによって設定されたETFはFTSE Blossom Japan Indexに連動するもので、当初設定は27億円弱だったそうですが、現時点では純資産額80億円まで増えているようです。すでに大和さんが、3つのベンチマークに連動するETFをそれぞれ出しているのですが、合計しても純資産で60億円弱。なかなか、環境や社会といっても日本で馴染むのには時間はかかると思いますが、日本株投信の主流になっていく可能性はありそうです。

東野幸利

株式会社DZHフィナンシャルリサーチ

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