2015年の注目業界・銘柄を教えて下さい!この時期の取材などでよく尋ねられます。株高による消費力底上げを背景に、百貨店株へ注目した時期もありました。ただ、景気のバロメーターにはなるけど、日本経済を引っ張るのは難しい。面白いのは地銀株や建設株ではないでしょうか。バブル崩壊以降、この2つの業界はあまり再編が進んでいません。だから長期的に出遅れている。「出遅れた業種」は来年も株価は伸びる可能性はありますね。上場企業がまだ多すぎるような気がします。

最近、地銀再編の話しが新聞紙面上に出てきたり、特集が組まれたりしています。今年は地銀再編の元年になるのでしょう。融資競争の激化や追加金融緩和で金利が低下し、利ざやの縮小が止まりません。実は私も某大手銀行の渉外担当をやった経験がありますが、個人の収益性商品(投資信託や保険)が伸びているといっても、特定の個人しか購入していません。やはり、収益柱の利ざやが改善しないと厳しいでしょう。だから、規模の拡大や効率化を目指す動きは必ず出てくると思います。当初は国が主導するでしょうけど、メガバンクが囲む可能性もあるのではないでしょうか。

建設もそうです。これから仕事が増えてくるのに、原材料や労務費が高騰する中、単独でやっていけるのでしょうか?「うちでは仕事がさばき切れないから一緒にやろう」という中堅の建設会社がお互いに出てきてもおかしくはない。地方再生でしょ、先日、日経新聞で見た記事ですが、10月時点の地価動向報告(国土交通省)によると、3カ月前から地価が下落した地区は2007年10月の調査開始から初めてゼロだったようです。逆に、上昇は全体の83%の124地区と過去最高となったようです。不動産取引が以前よりも活発になっているということです。東京や大阪のような都市部だけでなく、日本の国土全体が底上げしていくという状況となれば、不動産株だけの上昇にとどまるはずがありません。今年の株式市場は「株主還元」が主流となりました。来年のトピックは「業界再編」だと思います。チャート妙味の地銀株や建設株、年末までに是非探してみましょう。

東野幸利

株式会社DZHフィナンシャルリサーチ

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