前回お伝えいたしました、「強気派には見逃せない小さな兆候」である、日経平均の7/19高値からの下降ウェッジ型の動き。9/3に突如、そこを上抜けてきました。下降ウェッジ型はレンジと逆方向に強く放れていく可能性の高いパターン。まさにその流れでしょうか。そうであれば、マドを連続させながら7/19高値を上回ってくる可能性もあります。まずは、5/23高値と7/19高値を通る上値抵抗線をクリアできるかが注目されます。

一方、気になることもあるのです。日経平均ボラティリティインデックス(VI)です。急落時に大幅に上昇する傾向が高い指標。図表のように、2008年のリーマンショック以降でボラティリティが高まる場面は株価の急落局面です。株価と同じ感覚でみると、上値抵抗線を引くことができると同時に、昨年後半から下値が切り上がっている(赤の直線)のが気になります。昨年、日経平均が秋口までのもみ合い相場から急速に上昇に入る場面でも、少しボラティリティが高まる場面はありました。けど、足元の膠着は何を意味しているのでしょうか? 今回も、ポジティブなニュースに少しボラティリティが高まる程度ならよいのですが、・・・・超ネガティブな材料に反応するボラティリティ急騰前の膠着ではないように祈ります。上値抵抗線はブレークしないで欲しい!

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配当利回りが高い中小型株狙いに注目です。酒井重工業(6358)はロードローラーなど道路機械の専業の会社。震災復興工事の本格化と経済対策、排ガス規制導入を控えた駆け込み需要が想定以上。株価は2012年高値363円を基点にもち合い継続中ですが、長期の24ヶ月移動平均線をサポートに商いはやや増加傾向。信用買い残の整理も順調。足元が打診買いの好機なら、もち合い放れで買い乗せスタンスも検討余地ありでしょう。

愛知製鋼(5482)は自動車向け特殊鋼大手。特殊鋼需要は主にトヨタの世界自動車生産台数に依存するようです。4-6月期の決算では原材料価格が想定を下回ったことや円安によって輸出採算が改善。上期と通期の利益計画を引き上げたものの、下期分の変更なく上振れ余地あり。株価は13週移動平均線をサポートに高値圏で強含み。直近高値から3週調整のあと陽線で出直りをみせるか。

そのほか、ニチイ学館(9792)、スタンレー電気(6923)、KIMOTO(7908)など比較的に配当利回りが高い銘柄の押し目買いがよいのではないでしょうか。

東野幸利

株式会社DZHフィナンシャルリサーチ

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『株式セミナーフェスティバル2013』のご案内
きたる9月14日(土)、東京証券取引所「東証ホール」で行われる「株式セミナ
ーフェスティバル2013」(主催:株主手帳)にて、当面の相場見通しについて
東野幸利氏が講演されます。ご興味のある方は是非ご参加ください。

テーマ:「年末に向けてドテン買い!チャート妙味の3銘柄(仮)」
講師:DZHフィナンシャルリサーチ 東野幸利氏
日時:2013年9月14日(土)13:45~(40分程度)
会場:東京証券取引所 東証ホール(入場無料、事前申し込みが必要)
〒103-8224 東京都中央区日本橋兜町2-1(東西・日比谷線 茅場町駅徒歩6分)

詳しい内容・お申込みは下記ウェブサイトからご確認ください。
http://www.kabunushitecho.co.jp/event/ (株主手帳のウェブサイトへ移動します。)