前回、日経平均は「逆N波動(安値更新)」、「P波動(高値圏もち合い)」の2つのうち、どちらかの可能性が高い。ということをお話しましたが、足元の戻りの強さで付け加えて欲しいのは、早期に高値を更新する「V波動」です。 

7/2の取引では、終値ベースで半値戻し(14,036円)以上をクリアしました。いったん下押すかもしれませんが、「P波動」、「V波動」の強気パターンの可能性が高まったといえます。日柄面では、2010年4月高値~2011年11月安値までの「86週」を2011年11月安値からあてはめた7月第2週前後が、その判断の分かれ目として重要になりえます。
月足のローソク足では、6月は長い下ヒゲを形成し、5月の長い上ヒゲ(売りサイン)に対抗する強い買いサインとなりました。当面は、下振れ懸念は和らいだ可能性が高いです。夏後半に向け出来高の減少傾向が今年も続くとみるならば、高値圏でもち合いなのかもしれません。ただ、2010年4月以降、あれだけ長くもち合ったのだから、逆に足元の調整は早く終わる、といった見方も出来るのです。

さて、NY原油先物(WTI)が堅調です。現在は7/3の11時13分頃ですが、時間外取引で1バレル102ドル台まで上昇、といったニュースが流れてきました。米在庫の減少やエジプトの政情不安が要因です。周辺の産油国に波及すると供給懸念が強まりかねない、といった連想でしょう。石油資源開発(1662)やAOCHD(5017)に注目です。

建設株を推奨する声が一部で高まっています。バブル高値組の強さといいましょうか、参議院選挙を控え公共事業拡大への思惑や、何と言っても東京オリンピックでしょう。決まったわけではありませんが、大成建設(1801)の強さは、とりあえず「01銘柄」からといった連想なのか。オリンピックとは関係が薄いかもしれませが、建設セクターでは長谷工(1808)、五洋建設(1893)、日本工営(1954)などが中期スパンで気になります。
京成電鉄(9009)や東武鉄道(9001)の株価も強いし、東京で決まりなのか?と思ってしまいます。高島屋(8233)、Jフロント(3086)などの百貨店株もいい感じ。
6月末時点の東証一部銘柄の月足チャートを眺めていると、スポーツ関連の株価パターンが共通してよくみえるのも不思議。デサント(8114)、ミズノ(8022)、アシックス(7936)、Gウイン(8111)、セントラルスポーツ(4801)、・・・アルペン(3028)まで。
ただし、東京で決まらなかったリスクも、それなりに大きいということです。
東野幸利

株式会社DZHフィナンシャルリサーチ