90年以降、7回あった衆議院総選挙の前後の株価を振り返ると、投票日に向けて上昇しやすいアノマリーがあるのはいつかお話したと思います。投票日前営業日の日経平均を1として、その前後1ヶ月の動きをみると明らか。何か変化を求めて期待で上昇、投票日を起点に反動がでるといったパターンです。あくまでも過去の平均なので今回に当てはまるかどうかは別ですが。

しかし、米国株の大幅安にもかかわらず、今日の株価はここまで戻るとは・・・確かに円安はありましたが、上値が重いと読んだ私は浅はかだったのです。

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いずれにしても、「近いうちに」 上昇できなければ、需給悪は(25日線が本格的に下げトレンドに変化する)避けられない、いう状況だっただけに、この局面でポジティブな材料(解散・総選挙)を演出した野田総理にあっぱれ!意外とマーケットセンスがあるかもしれませんね。

前回のラウンドワンに続き、年末年始の長い連休銘柄として挙げるとすれば、京成電鉄(9009)あたりが面白いかもしれません。第2四半期決算では、主力事業の運輸事業が日本人の海外旅行の需要好調、外国人観光客の回復を要因に伸びておりますし、不動産、レジャーサービスといったところも堅調です。そういった意味でも、成田都心間の路線での海外旅行の需要に期待できる、東京への観光需要も取り込める企業として注目できると思います。それによって極端に業績が伸びるわけではないでしょうけど、株は一種の連想ゲームです。ただ、これは短期狙いでなく、中期参考銘柄です。

エイベックス・グループ・ホールディングス(7860)は、映像配信サービスが伸びていることに加え、12月にはソフトバンクのスマホ向けなどに提供される「ウーラ」という音楽・映像配信サービスの開始によって、業績への寄与が期待されるところです。

その「ウーラ」への先行投資などから会社側の今期予想は据え置かれましたが、上ブレ期待が強まる公算が高い。ただ、株価はちょうど月足の雲上限に差し掛かっているので、いったん頭を抑えられる可能性はあります。押し目買いスタンスから目が離せない銘柄だと思います。

東野幸利
株式会社T&Cフィナンシャルリサーチ