東電株は2011年6月9日に一時150円割れ。この日150円割れの推移は15分程度の間でしたが、148円までザラ場安値を更新したあとは反発し、終値は192円まで値を戻しました。

福島第1原発事故による賠償問題や政府支援策などの不透明感から、見切り売りに加えて、法的整理への思惑に絡んだ新規売りも多かったようです。6月14日に発表された10日時点の信用残高をみると、売り残が買い残の3倍程度増えていました。

ところが、政府による原子力損害賠償支援機構法案の閣議決定と信用取引における増担保措置の規制によって大きく方向転換。株価は14日、じり高で結局ストップ高。15日は25日線が抵抗になると思いきや、二日連続のストップ高。材料は出るべき時に出るものです。出るべき時とは、・・・以下です。

9日の売買高は約4億100万株と、東証1部全体の売買高の2割以上に急増。震災発生以降で最も商いが膨らんだ日となりました。 セリング・クライマックスとは、調整局面で総悲観になった時などに起こる出来高を伴う劇的な下げのこと。信用の買い方の評価損が膨らみ追い証が発生し、売りが売りを呼ぶ様相のこと。

セリング・クライマックスには、じり安が続いたあと最終局面で下げが加速するパターンと、序盤に大きく急落したあとダラダラと下げが続くケースがあります。最終局面で下げが加速することで需給が急速に好転し急反発に転じる。そういったケースはわかりやすいのですが、東電株の場合は後者に近く、セリング・クライマックスの局面でも反転ポイントが見極めづらかったパターンです。

まだ、自立反発の域を脱しえない局面ですが、結果的に出来高増は短期的な反転シグナルになるケースが多いことに加え、「半値八掛け三割引き(147円)?」まで売られた6月9日安値148円は、5月11日高値から日数を数えると22日目にあたり、4月6日安値から5月11日高値までの22日目と同じ日数で対等したことになります。 出来高急増、下ヒゲの長い陽線引け、日柄。この三点がマッチしたら、確度の高い安値とみていいでしょう。

さて、目先の上値メドはどこでしょうか。過去の習性値幅を使って簡単にテクニカル面だけで予測すると、4月6日安値から4月12日高値まで短期間で戻した247円の上昇幅に注目。6月9日安値148円からその幅を同じように上げるとすると、395円になります。4月12日安値539円と5月11日高値の間にある4月22日安値394円(ネックライン)を意識するようなイメージでしょうか・・・

もちろん、不確定要因が多い状況で、今後の国会審議の動向なども注視する必要があります。逆に、148円の安値を下回ると下げが再び加速し、次は100円割れが必至か、といった雰囲気になる可能性もあるでしょうけど、目先の正念場に来ていることは確かです。

東野幸利株式会社T&Cフィナンシャルリサーチ