トヨタ株が下げています。きょうの大引け後は決算発表でしたが、前場引けあとに知り合いの現役の市場関係者23人に、「トヨタ株は後場は買いか、売りか」と見通しをアンケートいたしました。問いかけるといろんな意見がでてくるのですが、結果だけいいますと12人の方にご回答いただいて(寂しいですね)、「売り」が2人、「買い」が10人(ただし、短期リバウンド狙いの買いで、中期・長期的にはまだ下がるとの意見が大半)でした。
前回、ソニーは昨年7月安値に対して11月安値が切り上がっている一方、トヨタは7月安値を11月安値で下回ってしまいました・・・といったことをお話ししましたが、2009年5月高値から高値を切り上げる一方、同年5月安値から安値は切り下げているので、理由は何であれ、逆に足元の安値切り下げも不思議ではないのです。
う~ん、私はきょうの後場の安値3195円は中期的にもいい水準だと思いますが、・・・。週足ベースの一目均衡表の遅行線が雲の下限と見合う水準は3410円ですが・・・今週土曜日の株価欄に終値3410円以上が記されるでしょうか、注目です。
さて、日経平均、「新月(15日)」天井に対して、「満月(30日)」前後の29日、1日といったところが目先底打ちとなったのでしょうか?
このあとの見極めが重要です。前回の続きでいきますと、パターンとしては「急反発」、「もち合い(10500円を中心とした)」、「途中までいったん戻して二段下げに突入」、「1万円割れ」など、チャートビジュアル的には、どのパターンが一番キレイにみえるのか。
前回、いったん戻して二段下げに突入するパターンにしては、一段目の下げが大き過ぎるといった指摘をしましたが訂正します。その可能性も強くなってきたといえるでしょう。
理由は、1月15日高値からの下げが5波動構成になっているため、1月15日高値を基点としたより大きな三波動構成(下げ、上げ、下げ)の下げの可能性もあると思うからです。
より大きな主のトレンドは下げですから、三波動構成(下げ、上げ、下げ)のなかの下げの部分は主のトレンドを推進するということで「推進波」といいます。逆に、途中の上げは主の下げトレンドを修正するという意味で「修正波」といいます。
一般的には「推進波」はより小さな5波動構成(下げ、上げ、下げ、上げ、下げ)、「修正波」はより小さな3波動構成(上げ、下げ、上げ)となります。つまり、15日高値からの下げが5波動構成とみるならば、現在の反発局面を経て、また下げる波動が残っているということになります。大体、この反発局面で「絶好の押し目買い」として買気が旺盛になり、次の下げでその買い方の投げが出る、といったパターンが多いのですが・・・。
ただ、もう少し進行しないと、全体像は認識できません。二段下げで調整が深くなるパターンでも、そこから大きなもち合い相場を形成するパターンだってあるわけですから、決してネガティブとはいえません。
要するに何が言いたいかと・・・、中途半端な調整で弱気転換するのは禁物です。移動平均線ですと、200日移動平均線や週足では52週移動平均線などの上にまだ株価は位置していますので、この程度の下げは許容範囲。アヤ押しという性質のもので、目先的に一喜一憂すべきではないでしょう。長期的視点から次の高値を何処に見据えるかを考えるほうが重要かもしれません。
最終的には、昨年3月安値と11月安値を結んだ延長線上の下値サポートラインを下回るまでトレンドは継続。また、昨年11月安値を下回るまでは上昇波動は継続、と考えていいと思います。
そこで、今後の高値や安値を考える上で5つのトレンドラインが重要と考えます。(1) 2008年6月高値と今年の1月15日高値を結んで延長した右肩下がりの上値抵抗ライン、(2) 上述した昨年3月安値と昨年11月安値を結んで延長した右肩上がりの下値サポートライン、(3)昨年6月高値や8月から9月中旬にもみ合った下限値、今年の1月29日安値などを結んで延長した、(1)と(2)の中心を通る10150-10200円処の平行の下値サポートライン、(4)昨年8月26日高値以降、切り下がる高値を結んだ右肩下がりの下値サポートライン、(5) 最後は昨年7月安値と昨年11月安値を引いたぼぼ平行ラインの下値サポートライン、です。
一度、日経平均のチャートをだして、それらのラインを引いてみてください。そのなかで、今後株価がどのような動きをするのが最も自然のように感じるか。ここからは感性の勝負。昨年3月安値からの大局観を描いてみてください。
東野幸利
株式会社T&Cフィナンシャルリサーチ
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