こんなに予想と違うものですか?先週4日に発表された11月の米雇用統計のことです。米雇用統計でもマーケットでいつも注目されるのは、失業率と非農業部門雇用者数です。11月の失業率は10.0%と予想の10.2%とほぼ変わらなかったのですが、非農業部門雇用者数は12万人減少予想に対して、1万1000人減少でした。予想と実際の結果にここまでかい離が生じると・・・どうでしょう。米国は消費大国ですから毎月の「消費動向」は輸出に頼る日本の主力企業にとっては非常に重要な指標です。当然、「雇用動向」も米国全体の消費動向に関わってきますので、マーケットでは毎月必ず注目される経済指標、といわれます・・・という人が多いです・・・私はそこまで重視していません。

今回、株価が堅調な背景があったので、ある程度の経済指標の好転は予想していましたが、ここまで違うと不信感を強め、信頼性を疑います。株価も困惑していますね。
実は、米調査会社のトリムタブスが政府の統計手法には欠陥ありと指摘。4日に発表した非農業部門雇用者数について、急速な改善は誤りであると警戒していると発表しました。一部のエコノミストも異論を唱えているそうです。トリムタブスが集計したものによると、11月は25.5万人減少(概算値)。政府が発表した前月10月の非農業部門雇用者数が19万人減少ですから、それ考えると雇用は全く改善しておらず、むしろ再び悪化傾向へ。
結論は簡単、民間企業と政府(労働省)の間では、測定方法が違うからなんです。

政府が雇用統計で使用しているのは「Birth-death」法というモデル測定方法。各企業が州当局に新規事業を申請することで雇用創出としてカウントされる。つまり、失業時にはこの方法ではうまく機能せず、今回のような金融危機のあとなどはマイナス幅の減少ペースが大きく改善方向に振れやすいということでしょう。
不況の中でも、まさかの増加しそうにない職種も増えるといった現象があるため、この測定方法には以前から違和感があると、少し聞いたことはありました。一方、トリムタブスが使用している測定方法は、税金を払う全ての米国民の所得をもとに計算しているみたいです。また、ADP(Automatic Data Processing社、民間会社)が毎月発表する全国の民間雇用者数も政府と異なる測定方法です。測定方法にはそれぞれ特徴があるため、一概に政府の発表数字がおかしいというのは早計ですが、一部では政府が「Birth-death」法を改める可能性もあるということが指摘されています。
でも、新たな方法で過去に遡った結果、もっと悪かったですとならなければいいですけどね。相場の地合いが悪いときとタイミングが重なると・・・いかがなもんかと思いますが。

「今週は週末に米雇用統計があるので様子見・・・」、といったコメントを見かけますが(私も書いたことはあります)、毎月第一金曜日に発表されますので、毎月月初は様子見ってことになりますね、そんなことはないでしょう。あまりあてにならないので過剰警戒は禁物です。かといって、来月から無視できるというとそうではないんです。その指標の結果をみて投資家がどのように行動するかを予測するほうが重要ですからね。
きょう寄り前に発表された国内の機械受注統計もブレが相当あるといわれますが、やはり個別企業の業績積み上げが一番信頼できそうですね。来週は四季報が発売されますが、業績上方修正企業は素直に株価が反応するでしょうか。
東野幸利

株式会社T&Cフィナンシャルリサーチ

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