日経平均は3月10日、連日でバブル崩壊後の安値更新となりました。ただ、7000円の大台を一度も割り込まなかったことに加え、ローソク足では"十字足"が 出現しました。十字足とは寄り付き値と終値が同じ値段になること。日経平均は225銘柄の平均ですので、寄り付き値と終値がピッタリ同じ値段になることはまずありませんが、大体同じということでよしとします。
 少し過去を調べてみると、寄り付き値と終値の幅が最も小さかったは、1992年5月14日と1985年8月9日の0.1円です。最近では2007年8月9日の0.24円ですね。8月9日って何かあるのでしょうか。今年の8月9日に注目です。それらに比べ3月10日はその差4.79円ですから、大したことはないのですが・・・。

 3月10日は陰線が2日続いたあとの十字足であったので迷いのシグナルです。次は反転か、下に加速か?といったところだったのですが、ダウ平均も6500ドルあたりで買いが継続して入っていましたし、そろそろかな?と思っていたところでしたので、翌日11日の大幅上昇は意外とサプライズではなかったです。 今日は十字足の話ではないのですが、日経平均を分析する上でたまには変わった方法を・・・と思いながら、日経平均のチャートを逆さまに見てみました。ここから先は実際に日経平均のチャートを見ながら読まれた方が良いと思います。

 どこの期間を見たかといいますと、2007年の高値を基点としてその前後の動きを見てみたのです。何の目的で・・・と思われる方がいるかもしれませんが、足元の相場と比較したかったわけです。
 何故か? 日経平均は週初の9日に昨年10月27日安値を下回り、バブル崩壊後の安値を更新しました。一般的に周りで耳にするのが、日経平均の下値メドの話ばかりなんですね。安値を更新したから6600円、6300円、6000円、5000円などと・・・。ただ、安値を更新したからといって大幅に下をみる必要もない、と思いながら、そうならない理由を探していたのです。本当は相場に逆らった考え方はダメで、安値を更新したことで2007年7月に付けた高値から下落トレンドは続いているという事実を認識しないといけません。

 しかし、日経平均を絵柄でみると1月7日高値からゆっくりと下がってきた相場から、安値を更新したからといって急速に下に振れるというのもどうかなと。 安値更新した瞬間に上昇に転じるケースがあってもおかしくないと思っていたところ、2007年に高値を形成する過程の動きを思い出したのです。
 例えば考え方の一つですが、日経平均が2007年に高値を付ける過程では、2月に最初の高値を付けたあと、92日後の7月に高値を更新する動きになったのですが、7月高値は2月高値とほぼ同値水準であり、それまでのジリ高基調の動きからその後の急落につながりました。その動きの前後を逆さにすると当然ながら下げ相場にみえるのですが、その動きが昨年からの下げ相場に似ているではありませんか。少し無理をした見方をしなければいけません(笑)。

 2007年2月高値(逆さですから安値に見える)と昨年10月安値を合わせ、そこを基点として前後の動きを見比べてください。特に基点から前の動きは日柄がほぼ同じです。
 そして、2007年2月高値(逆さですから安値に見える)から2007年7月高値(逆さですから安値に見える)までの92日間を昨年10月安値から92日間先に当てはめると3月13日になります。
 2007年7月高値(逆さですから安値に見える)を基点に絵で見ると上昇する形になりますが、同じように3月13日前後を基点に上昇するパターンになるのでしょうか?
 私が聞きたいところですが、たまには相場を逆さに見て、自分の上下に傾いたバイアスを修正することも重要だということです。

 上げ相場と下げ相場の性質は異なりますが、今回の下落局面でも安値更新ながらも大きく下に突っ込む動きが見られません。ジリ安基調が継続しながら、1月7日高値を基点としたくさび状の株価パターン(レンジを徐々に狭めながら下落が続く)から反発する展開も可能性としては考えられます。そういった意味では売り方にも慎重姿勢が必要でしょう。

東野幸利
株式会社T&Cフィナンシャルリサーチ

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