日経平均は年末にかけて方向感に乏しい展開が続いていますね。チャートパターンから考えられることは、最近よくいわれる「三角もち合い」です。私はそのケースでは、3月安値と11月高値を結んだ線を上値抵抗線(上限)とみています。下値抵抗線(下限)は10月安値と11月安値を結んだ線となります。現在はその中で11月21日安値を起点として、三角もち合いの中の下限から上限に向けての動きになっている、といった認識で見ています。一目均衡表を考慮すると、長い場合で雲のレンジが狭まる2月初旬あたりまで、もち合いが続くと考えることも出来ます。
 ただ、三角もち合いというのは、それ以前のトレンド(今回は下落トレンド)の継続パターンになりやすいといわれていることからも、そのパターンであれば下値不安は解消されない状態が続きそうです。
 そういった意味では、足元の株価が11月21日安値以降、安値と高値を切り上げながらジリ高基調となっていますので、ここで11月5日高値(9521円)に向けた加速的な陽線が一本欲しいところであります。そういった陽線が出れば、それを見て買う人が増えて出来高増加につながっていくんだと思います。そうなると三角もち合いではなくなり、二番底形成のパターンになる可能性がでてくるんですけどね・・・。

 さて、もう少し細かく見ていきますと、先々週の12月12日は基準線の下落にともなって一時的に大幅に下落しました。ここで少し余談ですが、12月12日は遅行スパンの位置が600円超下げた11月6日の時間帯にきました。たまにあるケースですが、遅行スパンのある位置と同じような株価の動きをするときがあるのです。要するに26日前と同じ動きをするときがあるということですね。11月6日の下げと12月12日の下げのパターンが前の足と合わせよく似ているのが、チャートを見ると少しわかると思います。
 基準線の話に戻りますが、現在は基準線が下落基調のなか堅調を維持しています。基準線そのものが下落しても、株価が基準線の上方の位置を維持した場合、次に基準線が上昇するのはいつごろになるかを予測するのです。と前々回書いた覚えがあるのですが、そろそろその時期が近づいています。要するに11月21日安値が計算対象から外れる日を推測するのですが、次の基準線の上昇は、年明け"大発会"の日となります。先に明日26日の転換線上昇で株価がどうなるかを見極めなければいけませんが、それらタイミングで上にいけないと、目先的には上は難しい、三角もち合いが続く可能性が高いと思います。

 「三角もち合い」というのは市場参加者の迷いを示唆しているともいえます。自転車に例えますと、ペダルをこがずに乗ったまま静止している状態でしょうか。そういう状態では左右に微妙にバランスをとらなければいけません。しかし、ある程度傾くとその方向に倒れてしまいます。腕相撲もそうですね。バランスをとらなければいけないということは不安定な状況が続いているということですね。心理的な部分では、市場参加者が感じているマーケットに対するリスク(経験則からの部分を含む)と、実際に株価に内包されているリスクの度合いが違うということでしょう。株価には現時点で入手可能な情報がすべて織り込まれているという考え方があります。両方が一致していない部分をテクニカル分析で見抜ければ、先んじて売り買いポジションをとることが出来るのですが、それが難しいわけです。でも、テクニカル分析にしか出来ないでしょう。 最後に本年一年間、どうもありがとうございました。来年も引き続きよろしくお願いいたします。

東野幸利
株式会社T&Cフィナンシャルリサーチ

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