“来年の相場はどうでしょうか。”あと残すところ5営業日となりました。今回は大納会が28日で大発会が4日、はんどんで挨拶まわりの後、土日の休日と休みが長いですね。そのせいでしょうか、最近の軟調な相場展開を背景に、“今年は休日が長いため来週にかけて換金売りで一段安”などの声も聞かれます。
昨日、日本テクニカルアナリスト協会が主催する“パネルディスカッション2008年の相場見通し”に参加し、すばらしい先輩方のお話を聞くことができました。エリオット波動による相場分析やサイクルや波動を用いてのもの、さらには業績シナリオにのったものなど、非常に有意義な時間だったように思います。私はほぼ毎年この時期になると、楽しみにいつも参加していますが、これほど先生方の話に共通意見が多かったことはなかったように思います。ほとんどが年末高の予想でした。「子年は繁栄」といわれ、過去60年、72年、84年の3回は年足ローソク足で陽線です。96年は陰線でしたが2%下がった程度。上昇年の3回の平均上昇率は50%程度ですから、そのままの予想になったということです。もちろん、年末高の高値やその過程の動きは当然違うのですが、考え方はほぼ同じであったように思います。
私も実は第九回目で書かせていただいたシナリオはほとんど変わっておりません。先生方の話しを聞いて安心しております。私は来年も米国株に連動する動きは続くと思います。NYダウの1881年から2000年までの120年間を10年単位でみると、末尾に8の付く年(1888年、1898年、1908年・・・)の平均上昇率は17.1%と、末尾に5の付く年の27.3%に次いで高いというアノマリーは事実ですし、米国の大統領の任期は4年ですが選挙の年は4年間の中でもパフォーマンスは悪くありません。しかし、どうでしょうか。今年はだいぶん荒れましたから、あと1年ぐらいはいろんな問題が出てきそうですね。サブプライム自体は景気後退の要因にはならないと思いますが、米国景気後退が要因で、まだ温存している評価損の部分が拡大する可能性がありますね。株価もここまで乱高下すると、次の上昇となるには相当時間がかかります。2007年の後遺症が残り大きな上昇は期待できそうにないです。
日経平均のバブル崩壊後の安値2003年4月からの上昇は2007年7月高値で一旦調整局面に入りました。2008年相場は、2006年以降のレンジ内での動きが続くと考えています。2009年からの本格上昇に向けて、徐々に下値を切り上げるボックス相場でないでしょうか。2009年の相場は相当大きいと思います。現在のところの日経平均の年間のイメージは、3月安値、6月高値、9月安値、12月に向けてはジリ高、それも変わりません。来年1年では今年の高値は抜けないと思います。この部分に関しいては、先生方よりもやや弱気かも知れません。
といいつつも、目先の動きが気になります。今日は日経平均のローソク足で寄り引け同時足(十字足)が出るように祈っていたのですが、結局は陰線が並ぶ結果となりました。底入れで重要なのは前日の陰線の中ではらんで、寄り引け同時足(十字足)が完成することなのですが、・・・。そうなれば、“はらみの寄せ線”となり買い転換になります。前場引けではそうなっていたのに…悔やまれます。実際それが出たからといって、全てそうなるわけではありませんが、私の中では非常に重要です。明日に期待します。
(株式会社T&Cフィナンシャルリサーチ 東野幸利)
※なお、12月1日より社名が 株式会社 トレーダーズ・アンド・カンパニーから変更となりました。
※上記内容は、筆者の個人的見解であり、当社として個別に銘柄を推奨するものではありません。