先週末まで14日連騰で56年9カ月ぶりの最長記録に並んだ日経平均。週明け月曜日にも続伸して過去最高記録を塗り替えるだろう。どこまで連騰記録を伸ばせるかは米国株次第だ。米国株相場が大きく下げるようなことがなければ、まだ上値を伸ばす余地がある。
衆院選は情勢調査で与党優勢と伝わった時点で既に織り込まれているから材料にならない。「衆院選の結果が与党圧勝となるか」という期待で買い上がってきた相場ではないから、選挙が終わっても「材料出尽くし」で売られることはないだろう。
今週から4-9月期の決算発表が始まる。このところパターンとなっている安川電機の上方修正があれば幸先の良いスタートとなって相場のムードも一段と明るくなるだろう。決算発表についても「好業績は織り込み済み」という論調があるが、そんなことはない。日経平均などの指数をユニバースとした予想ベースのEPSは上方修正されていないので、なにをもって織り込み済みというのか定かではない。決算発表が出てくるにつれて予想EPSが切り上がり、それに沿って株価も上昇していくだろう。
トランプ米大統領は連邦準備制度理事会(FRB)の次期議長人事について、イエレン議長、パウエル理事、テイラー氏の3人を軸に検討していることを明らかにした。このうちマーケットにとっての波乱要因はタカ派とされるテイラー氏が選ばれることだが、単純計算では3分の1だからリスクファクターとしては少ない。確率的には市場にとってポジティブな結果となる「目」のほうがでやすい。
今週、一番の注目は26日のECB政策理事会である。資産買い入れ減額(テーパリング)の決定がなされるか、その内容(スケジュールや減額規模)はどうなるか、そしてそれを受けた市場の反応と、幾通りもの組み合わせがあり、シナリオの特定が難しい。また、今回の会合で議論はするものの決定は12月に持ち越しという可能性もある。いずれにせよECB理事会前は様子見ムードが強まるだろう。
日経平均は週前半で2万1700円程度を試した後、週後半はECB理事会を控えて利益確定売りに押されて調整する展開を予想する。