この1カ月ほどの間にユーロ/ドルの下げ基調は一段と鮮明なものになってきました。昨日(5日)は一時1.3358ドルまで下押す場面があり、以前から本欄で注目してきた一目均衡表の週足「雲」下限はもはや目の前に迫ってきました。

本欄で「ユーロ/ドルが弱気基調に転換した可能性」について触れたのは、今年の5月14日更新分に遡ります。それは、12年7月安値を始点とする5波構成の強気相場が展開されていたなかで、13年7月安値を始点とする「第5波」が今年5月8日高値=1.3993ドルで終点を迎えたのではないかという見方に基づくものでした。

その最初の感触は、まず今年5月8日以降の急激な下げにより、13年7月安値と今年2月安値を結ぶ中期サポートラインを明確に下抜けた時点で得られました。そして、ほどなくユーロ/ドルは今年3月13日高値と5月8日高値が形づくる「ダブル・トップ」(=典型的な転換保ち合いパターンの一つ)を完成させ、弱気基調に転換したとの感触をより強いものにしたのです。

その後は、ダブル・トップのネックライン水準を意識した「リターン・ムーブ」の動きも見られましたが、今年7月1日に一時1.3700ドルまでの戻りを見た後は一気に下げが加速することとなりました。そして、ここから本欄ではユーロ/ドルの週足ロウソクと週足「雲」との位置関係にとくに注目することとしました。

本欄の今年7月23日更新分で述べたように、ユーロ/ドルの週足ロウソクは今年7月14日の週から週足「雲」のなかに潜り込む格好となっています。その時点で、当面の下値メドの一つと定めたのは「ダブル・トップを形成した今年3月13日高値&5月8日高値からネックライン水準までの下落幅と同じだけネックライン水準から下方に位置する水準」であり、それは大よそ1.3350ドルあたりの水準ということになります。

そして今、下図でもあらためて確認できるように、ユーロ/ドルは一つのメドとしていた1.3350ドル台まで下値を伸ばす格好となってきたのです。前述したとおり、そのすぐ下方には週足「雲」下限が控えており、このあたりは重要な節目であるだけに一旦は下げ渋る動きを見せる可能性もあります。振り返れば、13年の4月安値や7月安値も週足「雲」下限に下値を支えられる格好となっており、そうした過去の事実は軽視できません。

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ただ、13年の4月安値や7月安値は、あくまでも12年7月安値を始点とする5波構成の強気相場が展開されているなかでの調整局面においてつけられた安値です。それに対して今回は、明らかに弱気基調に転換したと考えられる状況下において、今まさに間近に迫ってきている週足「雲」下限なのです。つまり、いずれはこの週足「雲」下限を下抜ける展開となってもおかしくはないということになるでしょう。

今後、ひとたび週足「雲」下限を下抜けてきた場合には、もはや12年7月安値から今年5月高値までの上昇に対してどの程度下押すかという視点が必要となるわけで、その38.2%押しは1.3250ドル、50%押しは1.3018ドルということになります。もはや、市場には「1.3000ドル割れは時間の問題」と見る向きもあり、今後も引き続きユーロ/ドルの下値余地がどの程度まで拡がるかを考えながら、相場と向き合うことが必要でしょう。

コラム執筆:田嶋 智太郎
経済アナリスト・株式会社アルフィナンツ 代表取締役