デパートには売り場はありますが買い場はありません。しかしマーケットには売り場も買い場もあります。何故でしょう?一方で、デパートでは売り一色とか買い一色とか云いませんが、マーケットではそのような表現が使われることがあります。これも不思議です。但し、供給側に視点がある場合には売り場とか売り子という言葉が使われるのは容易に想像が付きます。マーケットは常に売り買い同数ですが、その値動きを後講釈で説明するのに売り一色とか買い一色と云うのでしょう。実際にはマーケットの値段は独自の動きをして、そこに売りや買いがくっついていく、と云う方がイメージは近いと思います。

言葉の問題はさて置いて、或る局面が売り場なのか買い場なのか、と云うのは投資家にとって重要な命題です。短期的に見ると、或る事象が発生した時に、その結果マーケットが上がるか下がるかを云い当てるのは容易なことではありません。
当たるも八卦当たらぬも八卦、と云う部分もありますが、それ以上にマーケット全体と自分との間で情報量に恐ろしい格差がありますから、そのギャップの量を見積もるのが難しいのです。

長期的に見てマーケットが上がっていくと考えた際の、短期的な局面、局面でどう動くべきかは、比較的簡単な命題です。上がったら売り場と考えたら長期投資は出来ません。そして、下がった時は売り場ではなく買い場なのです。実際にトレーディングや投資をするのは、そう簡単なことではありません。だからこそ、長期的なビューを持つことは肝要だと思います。