バブルとは何でしょうか?或いは、今のマーケットはバブルでしょうか?ビットコインの値段は恐ろしいスピードで上昇を続けており、そのチャートは自然界には存在しないような急な勾配を示しています。日本の株価も、そこまでは行きませんが、あれよあれよと云う間に上がり続けています。これもまた、自然界にはないような動きです。
株価は、企業の利益水準に、「この企業の価値は利益のP年分」と云う期待から、Pを掛けて計算された時価総額を株数で割ったもの、と説明することが可能です。
このPは、人の気持ちで大きく変わります。企業の利益水準は、自然界にあるようなカーブでしか上がりませんが、Pと云う人間の期待は、急に上がったり下がったりすることがあります。
ビットコインは裏付けがないからその価格は信用出来ない、と云うような論もありますが、金(ゴールド)やダイヤモンドの価格と一緒で、欲しい人がいれば値段は上がるし、ビットコインだけがこれらのものと特別に違う訳ではないと思います。
これも、人の気持ちで価格は大きく上がることが可能です(そして下がることも可能です)。結局、株価もビットコインも、人の気持ち、期待の上下によって、いくらでも上がることが可能だし、急に期待がしぼむこともあるのです。
選挙に向けての、或る政党、或る人に対する期待が、急に生まれて、急激に上昇して、しかし何かの切っ掛けで大きくしぼむ、そんな動きと、マーケットの動きは、とても良く似ています。だから今のマーケットがバブルかと云うと、それは今までの上がり方から、「急に上がりすぎたからバブルである」とは決して云えないのです。自然界では、波のように行ったものは戻って来ますが、人の気持ち・期待は、行く時はどんどん行きます。
だから、このような動きの時は、逆張りに挑むよりも、順張りをして、どこかで期待がしぼみ始めたらすかさず降りる、のが正解の場合が多いです。人々の期待が急増している時には野次馬のように群がり、その流れに対して逆に進もうとはせずに流れに乗って一緒に進み、但し期待に変化が起きたら一目散にその集団から離れる。そう云う行動を取るのが、ひとつの考え方です。
バブル、或いはバブルの崩壊は、決して予測することは出来ず、後講釈で語ることしか出来ない。それが原則です。マーケットと社会のダイナミズムを観察するのは、本当に興味深いですね!