アメリカ軍が、巡航ミサイル・トマホークを59発、地中海上の艦隊から、シリアのアサド政権の軍事基地に撃ち込んだとのこと。先日のアサド政権軍による化学兵器使用に対する措置ですが、タイミング的には或る意味ドンピシャリです。
シリアに対する措置は、国連が動かないならアメリカ単独で動く可能性がある、とトランプ政権は云ってきました。アサド政権は超えてはならないラインを何度も超えたとも、トランプは云ってました。そしてロシアとの関係悪化の可能性を睨みながらも、トランプ政権は本件を実施しました。時を同じくして、トランプと習近平の会談が始まり、トランプ政権は北朝鮮に対しても、アメリカ単独で動く可能性を明言し、北朝鮮は超えてはならない一線を超えているというようなことも指摘しています。

そしてもしアメリカが行動を起こすなら、一番気になる相手は中国。そこでこの軍事行動。トマホークを撃つ前に、ロシアへは事前通告したと云ってます。しかも習近平がトランプと会っているのは、米国内、しかもトランプ所有の別荘でです。トランプのホーム、習近平のアウェイ。この一連の流れを見ると、トランプとその政権の巧さが見えます。

一方、マーケットは深くて面白いもので、トマホークを撃つ前は不安がありますが、いざ撃ってしまうと、一旦不安が膨れたあとに、すーぅっと不安は遠のいていき、逆に安定していきました。当然、上に書いたような流れを認識しながらの中の動きですが、なべて人の心理とは深くて面白いものです。セル・ザ・ルーマー、バイ・ザ・ファクトと昔から云いますが、何かが明るみに出たり、何かを実行に移す前と後とで、心理状態にとても大きな差が出ます。

この流れは、人生の中で何度も何度も経験してきていても、あたかも毎回が初体験のように、同じような心理の反応を示しがちです。心理、気持ちと云うのは、或る意味で斯くもやわいものだとも思います。だからこそ、意志が大切だと、私は思うのです。人を人たらしめているもの、それは意志だと思います。

いずれにしろ、米雇用統計発表、トランプ・習近平会談、一週間後には金日成の誕生日。気になるイベントが目白押しです。しっかりと意志を持ちながら、広く、そして冷静に、様々なことを見ていきたいと思います。