トランプの支持率が45%で、大統領就任時のものとしては、分かる範囲内で史上最低とのこと。しかしそんなに高いのだ!と、私は思いました。トランプの次に低かったのがブッシュ(息子の方)とレーガンで51%と大して変わらないのですが、トランプの場合は支持しないと答えた人も45%で、これが際だって高いとのこと。それでも半々です。報道を読んだり聞いたりしている限りでは、支持率は20%程度にしか思えませんが、実際には支持45%、支持しない45%、要は半々である。これは、とても重要なパースペクティブだと思います。
マーケットもマーケットの参加者も偏ることがありますが、基本は、マーケットは無数のあらゆるタイプ・考え方の参加者が、あらゆる考え方を売買を通じて表現しますから、偏りの少ない、バランスの取れた状態になりがちです。報道とマーケットを見比べると、トレーディングの機会を見つけたり、或いは報道に対する慎重な視点を持つことも出来ます。トランプは随分と乱暴な人で、マスコミとはガチンコで喧嘩をしていますが、どっちもどっち<かも知れない>という視点を、少しでも残しておくことは意味があると思います。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。