昨日出ていた会議で思ったこと。会議のテーマは、簡単に云うと日本の将来を考えることだったのですが、金融が専門である私の立場から見て、我が国最大の問題は、お金が動かないことだと思います。個人金融資産は、日銀の資金循環統計によると約1700兆円。そのうちの約半分が現金・預金で、さらにその約半分が現金や普通預金。実に約400兆円です。一方企業に内部留保された資金は約240兆円と云われており、家計部門と企業部門併せて実に約650兆円のお金が眠っているのです。
お金は社会財であり、経済の血液とも云われるように、回って初めて役に立ちます。マイナス金利は、この眠っているお金を動かすための方策の、小さなひとつですが、金融政策以外で、もっと大きな手が必要でしょう。このテーマは、17年前にマネックスを創業した時からある問題です。昨日の会議はこの問題をまた思い起こさせてくれました。何か考えないといけないですね。