会社を構成するものは何か?会社は誰のものか、とか、会社のステークホルダーは誰か、という議論に置き換えることも出来ると思います。会社のステークホルダーは3ないし4つ。そしてその受託者、即ち管理責任者がいると、私は考えています。会社は株主に所有され、お客様にサービス(付加価値)を提供するために存在し、そして社員によってその活動が支えられ実現している。そして会社は反社会的なことはしてはいけない、社会に対して税金を納めなければいけない。即ち、株主、顧客、社員の3つが、違う立ち位置での会社のステークホルダーであり、社会はその存在の条件を規定する、特殊なステークホルダーだといえるでしょう。

経営者は、ステークホルダーではありません。経営者は、会社という活動・存在の受託者であり、管理責任者です。

"会社が問題を起こした"時、それは多くの場合、管理責任者である経営者が問題を起こしたのであり、株主や社員の問題ではありません。然しながら、この"会社のステークホルダーでない経営者"と、"ステークホルダーである株主"、"ステークホルダーである社員"が、ごちゃまぜになってしまうことがママ散見されます。経営者が犯した問題は、社員が犯したものでもないし、社員によって治癒することも出来ません。経営者が犯した問題について、株主にそのペナルティを与えることはお門違いです。経営者と会社、経営者と社員、経営者と株主は、違う存在であり、多くは対立さえする存在であることを、我々は強く認識すべきだと思います。