私にとって最も付き合いの長い友人の、やはり最も付き合いの長い友人が、昨晩長い長い旅に出ました。昨日書いた、最近見た半夏生に感じた雰囲気は、私に何かを伝えようとしていたのでしょうか。

彼女は一世紀以上、この社会を生きました。一世紀とは、どのくらい長い期間なのでしょう。第一次世界大戦も関東大震災もリアルタイムで接してきたことになります。世界の枠組みが変わり、飛行機が飛ぶようになり、生活水準が変わり、着るものも、見るものも、料理も変わり、文化も変わり、そして人も変わった。変わらなかったのは、花と魚と酒ぐらいでしょうか。

彼女の心はどうでしょうか。回りのものが激しく変わる中で、心はそんなに変わらなかったのではないかと、ただ漠とそう思います。私のDNAの4人の素の中で、脳的性能は彼女の影響を一番受けたと感じています。一世紀生きた心を、私の中にずっと保っていきたいと思います。