以前にもこのつぶやきで書いたことがありますが、金融の世界、特にトレーダーというか値段を付けたり、リスクを管理する仕事の人は、ケタを間違えないことが肝要です。流石に金融の仕事をしていてケタまでは間違わないだろう、と思われるかも知れませんが、ケタの違う注文を出してしまい大変なことになった事例などが我が国の株式市場にもあるように、金融の世界は数字がそもそも日常の生活から遊離したケタ数のものを扱うので、仮にケタが違っていても肌感覚では分からないこともあるのです。オプションなどのデリバティブ商品(金融派生商品)に至っては、そもそもが原資産と云われる元となる株式、債券、為替、金利などから遊離しているので、その値段などの水準のイメージを全く持てない人も多く、勢い計算機に頼りますから、ここでケタ違いなどのミスが起きても気が付かない例もそれなりにあるものです。

優秀なトレーダーはケタ違いを起こしませんが、ではこれは持って生まれたセンスか?となるとそうではない気がします。どこかから答えを引っ張って来ないで、自分で考えることが、ケタ違いを起こさないための唯一の訓練であるように思われます。

さて実は、最近でもケタ違いが私の回りで起きました。一部の報道などで引用されている私の月俸ですが、あれは恐らく、マネックスグループが支払っている社内取締役"全員"の"年"俸を、私"一人"の"月"俸として捉えた数字のように思われ、社内の取締役が皆同じ報酬という訳ではありませんが仮にそう考えると、報酬を支払っている社内取締役の人数X12(1年の月数)だけ数字がずれるので、ケタ違いどころではなくなってしまうのです。いやー、ケタ違いには気を付けねばなりませんね。