我が国の構造的な労働力不足はこれから深刻になっていくでしょう。そこでよりフレキシブルな雇用体系や女性の活用が議論されています。しかし必要なのは労働人口ではなく、労働能力です。そう考える時、我が国でその活用が大きく遅れているのは、女性だけでなく若い人たちです。

新卒大量一括採用から始まる我が国の年功序列システムは、かつて規格大量生産をする時代には効率的でしたが、現代では時代遅れのシステムです。規格大量生産よりも、知的・創造的な分野で世界の中で競争しなければいけない現代、そして人口構造もピラミッド型から逆ピラミッド型になった現代、安くて大量の若い労働力の上に年功序列のピラミッドを組むシステムはワークしません。
プロ野球チームが、年功序列で選手を組んだら、勝てる筈がありません。知的労働をイメージするために、クイズの団体戦でもいいでしょう。男性中心年功序列で勝てますか?老若男女合わせて、適材適所でチームを組まなければ勝てないでしょう。我が国の競争力を強めるためには、単に時間外労働をフレキシブルにするとか女性の登用を考えるだけでなく、この年功序列という我が国に厳然と存在する、階級というか、非効率的な仕組みを、今こそ見直すべきだと思っています。