ガルシア・マルケスが死んだとのこと。享年87歳。私はマルケスを読み始めたのはつい最近のことです。あくまでも独特。文体も構成も独創的ですが、何よりも文章が匂い、色彩に溢れています。この歳(私のことです)でも強烈に匂いを感じ、くっきりと色を感じるにつけ、もっと若い頃にマルケスを読んでいたら、どれだけめくるめく快感を感じられたかと、ちょっと恨めしく思います。
私は若い頃、特に高校生の頃、萩原朔太郎が好きでした。とってもヴィジュアルで飛び出す絵本のように情景が浮かんできました。しかし朔太郎の詩を今読んでも、かつての記憶はあるものの、或いは記憶が邪魔をしているからかも知れませんが、新しいヴィジュアルな感動をあまり憶えません。と云うことは即ち、若い頃にマルケスを読んでいたら、もっともっと凄かったのではないかと思うのです。
もう一つはスペイン語で読める力があったなら。うーん、それも理論的には可能ですが実際には難しいでしょうね。
今宵マルケスの文章を読みながら、一献(じゃ済まないか)傾けたいと思います。