ジャンボが今月末で引退するらしい。正確には日本の国内民間機としての役目を終えるらしい。デビューは1970年、大阪万博の年から実に44年間も現役を続けたとのこと。凄いですね。

私はジャンボが好きでした。ニューヨーク線では何度も何度も乗ったし、機内がゆったりとしていて、文字通り鷹揚な感じで、気持ちも大きくなった気がします。色々な思い出がありますが、ひとつ忘れられないのはニューヨークからの帰り、一番先頭のファーストの辺りから2階席のビジネスまで、どこかのオーケストラの演奏者が占領していて、お酒を飲みながら本当に朗らかに楽しく、みんなで楽器を演奏し、歌を歌っていました。文字通り大騒ぎだったのですが、楽団のマネージャーと思われる女性が、たしかニューヨーク・フィルだったと思いますが、そのCDを持ってビジネス席全員の乗客一人一人に笑いながら謝り、彼らは芸術家なので許してやってくれと、CDを配って回り、乗客も逆にもう喜んでしまって楽しかったことがありました。それも二階席のあるジャンボ、鷹揚なジャンボだから起き得たことかも知れません。

そんなジャンボが引退。もともとは軍用機として設計されたことを今日知りました。コックピットが二階にあるのは、あの鼻の部分から戦車などを搬入する設計だったからだそうです。そうだったのか。米軍がロッキード製を採用してしまったので、ボーイングは必死に民間機への転用に挑み、ジャンボとなったとのこと。日本の国内民間機としては姿を消しますが、まだどこかの空を暫くは飛んでいるのでしょうか。もう一回ぐらい乗りたいですね。44年間。お疲れさまでした。