今週7日に発表されたアメリカの11月の貿易収支は、赤字とはいえ前月比13%減で、市場の予想を超えて赤字が減ってきています。これはシェールガスという安いエネルギーの安定供給が確実になってきたので、製造業がアメリカへ回帰してきており、その結果「アメリカの外で作られたものをアメリカ人が買う」から「アメリカの中で作られたものをアメリカ人が買う」に徐々に戻りつつあり、輸入が減っていることが背景にあるようです。
シェールガスの実用化は、中東からの石油の輸入も減ることになるので、今後アメリカの貿易収支はますます改善してくるでしょう。これは長めに見てドルは強くなっていくことを示唆しています。一方日本は原発問題が未解決で石油の輸入量が高止まりするのと、アベノミクスの効果による景気浮揚→輸入増から、貿易収支は当面悪化する方向でしょう。そしてこれは円安を示唆しています。要はドル高・円安ですね。
アメリカに話を戻すと、シェールガス実用化は中東からの石油の輸入量が減るだけでなく、中東近辺に展開するアメリカ軍の配置を縮小出来ることに繋がりますから、財政負担も減り、双子の赤字と云われた貿易赤字と財政赤字が解消していくことになるので、今後のアメリカはやはり強いだろうなとの思いを再確認する貿易収支の発表でした。アメリカって本当に恵まれてますね。