アメリカ中央銀行であるFRBは、量的緩和の縮小を延期しました(正確には緩和縮小に踏み切るのを今回はやめました)。雇用の改善を確認したい、株価を下げたくない、長期金利の上昇を抑えたい、様々な理由があるでしょう。そしてバーナンキ議長は、それらの目的の実現に取り敢えず成功したと思います。一昔前とは異なり、現代の世界の中央銀行のマーケット制御能力は格段に上がりました。新しい手段を持ち、桁違いのサイズでの手段の実行をし、そして世界中の中央銀行が良く周りを見て、或る時は連携し、また或る時は真似て、そしてまた或る時は遅れてはならぬと、同じような手段を実施します。
マーケットにはもう暴落はないとさえ思われます。命の危機の迫った高齢者の方に生命維持装置を沢山付けてずっと長生きすることを可能とするように、マーケットはボラティリティ(変動)を失い、すいすいと上がり続けて行くように感じます。これは幻想か?それともニュー・ノーマルか?私にはニュー・ノーマルのように思えます。量的緩和が平時の施策となる世界。いい、悪いを別として、それが普通である新しい世界に入ってきているように思います。すると何が起きるか?金利は上がらず株や不動産などの資産価値は上がるのでしょう。ニュー・ノーマルに対応した投資を考えていかねばいけませんね。