私の頭の中には棚があります。イメージ的には本棚のような感じ。そこに様々な記憶、知識があり、何かのきっかけにそれが取り出されて再現されます。棚にしまわれているものは風化しないようで、何年も前のものを引き出しても、基本的に色褪せていません。しかし良く引き出されるものと、中々出てこないものがあり、この区分はかなりはっきりしています。或いは一旦棚から落ちてしまうと、基本的に二度と戻ってこないようです。

棚に新しく記憶や知識をつめるのは、そんなに簡単ではないようで、昔につめたものの方が、引き出される頻度が高いです。忘れないと新しいものは覚えられない、とは、昔から良く聞かされたセリフなのですが、確かに私は忘れ方が少々足りないような気がします。キャパシティの問題とも考えられますが、この歳になれば膨大な記憶量があって当然なので、問題は忘れる方でしょう。

しかしここでふと思うに、人は忘れてから覚えるのか?或いは感動など何かしらの刺激でそのことを覚えたくなり、それを覚えるために忘れるのか?棚の状態を思い浮かべると、何かがなくなったので新しいものをつめるのではなく、何かをつめるときに他の何かを捨てるように思われ、そう考えると感受性の低下が記憶や知識の入れ替えを遅らせているように思えます。要は感度が鈍っているのか!こんなことではいけない。感度を上げ続ける方法を考えようっと。