世界の株式売買高が減少しています。投資家のリスクを取り、リターンを求める欲求が減退しているのです。株価水準が下がっている、売られている、というよりは、参加が減っているということの方が目立つ現象です。何故か?景気が悪いから、世界経済の行方が不透明だから、株価が下がりそうだから、そういった理由よりも、投資家の意欲に水を掛けられているから、敢えてもっと強く云うと投資家が社会から温かい手を差し伸べられていないから、といった理由が大きいでしょうか。

リスクを取ってリターンを得る。投資をして儲ける。社会を、経済をまわしていく上で、極めて重要で不可欠な作用です。しかしこの数年間、資本主義的なものに対する反省や批判が行われ、最近でも世界各地でデモなどが起きました。資本主義・市場経済には改善する点はあるかも知れませんが、これらは人類が考え出した仕組みとしては、当然欠点はあるものの、なお最も優れた仕組みであることは、この数世紀の間に良く分かってきたことです。

そもそも人類の欲なるものは、ギリシャ神話の時代からの永遠のテーマであり、人類から取り除くことも制限することも不可能でしょうし、むしろ人類の欲こそが、人間社会をここまで文明的にも文化的にも発達させてきたと云っても過言ではないでしょう。しかしこの数年間、日米を始めとした先進諸国は資本市場に集まる欲を規制しようとしてきた。このことが、投資家の気持ちを萎えさせ、市場にボディーブローを与えてきたのではないでしょうか。

こんなことは長くは続きません。いずれ、いやもしかしたらもうすぐに、自然と欲の開放に対するムーブメントが起きてくるでしょう。Greed is good. 数少ない欠点を排除し、改善することに力を惜しまず、そして資本市場の効用を信じ、資本市場を愛し続けていきたいと思います。早く活気が戻らないかなぁ!