大震災後、海外に生産拠点を移していく計画を立てる製造業会社が増えています。いわゆる空洞化の問題。企業としては合理的な行動であっても、国にとっては大きな問題です。政府としてはあの手この手で空洞化が起きないように、かつ企業が国際競争力を落とさないように、色々と考えねばならない正念場でしょう。
この空洞化の問題は我が金融産業においても大きな問題です。或る意味で大掛かりな工場の移転を伴わない金融ビジネスの方が、この問題は速く大きく進むかも知れません。斯く云う我々マネックスも、グローバル化を進める中で、発展的とは云え、将来重心がある程度日本から移動する可能性は否定できません。
しかし金融産業の空洞化に関連して最大の問題は、企業の問題よりも、日本の金融市場・資本市場が空洞化することでしょう。この問題は、他産業にはない金融に独特な、そして我が国の経済にとっても大変大きな問題だと云えます。
金融行政はここ数年(もう10年近いでしょうか)監督色が強い気がしますが、我が国の金融を守るために、行政と業界ともっと協力して、我が国の資本市場・金融産業の未来像を考えていかないといけない。簡単ではありませんが、当事者意識を持って臨んでいきたいと思います。