一ヶ月ほど前に、「要請」なる題名のつぶやきを書きましたが、私にはこの要請なるものが引き続き気に掛かっています。政府は様々なことについて要請を出していますが、この要請の法的性格が不透明で、しかし事実上の力は強大であると思われ、ずるいと云うか、恐いと云うか、すくなくとも「政府」なる正当な、真っ当な権力が行使すべき類のものではないように思われ、とても心配です。民主主義や法治国家の根底を覆すと云うほど大袈裟なものではありませんが、ザワザワとした不安を感じます。そしてこの不安を大切にしたいと思います。いずれこの不安に鈍感になり、この国が良くない方向に流れていくことを我々が止められない、ということにならないように気を付けなければいけないと思っています。政府のしていることも、私の不安も、杞憂であればいいのですが。一部には私と同じ心配をしているような解説も見受けますが、大本営発表的な内容をそのまま伝えているメディアも多いことにも、私は残念な気持ちを抑えることが出来ません。色々な意味で、日本は今が正念場だと思います。正念場は色々なところにあります。私にとっても今年は正念場です。頑張っていきたいと思います。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。