色々なところでキャパシティ・オーバーが起きているように見えます。中東(もしくは北アフリカ)の状況に対して、アメリカを初めとする大国はもっと上手に対応できなかったのか?今回の原発問題に対するイギリスを除く主な西洋諸国の反応は適切であったか?そして大震災への我が国のリーダーシップの対応はどうか、もっと機能できたのではないか?これらは全て現在進行形の問題であり、どれもこれから改善することを望みます。或いは今までも、これで正しかったのかも知れません。

然しながら初期段階でのキャパシティ・オーバーの感は否めません。外野から、或いは後から評論するのは簡単ですし、非建設的なことを云っても意味がないと思います。では建設的に、何を学ぶべきか考えてみました。たかが人間、されど人間とは云いますが、やはりたかが個人なのでしょう。個人の、或いは少ない人数の力量には限界があります。どれだけ迅速に、どれだけ多くの人の知恵と行動力を動員できるかが鍵でしょうか。今回の震災で、インターネットはその大きな力を見せつけました(まだ進行中ですが)。これからの復興にも、その長い道のりの中で、分散系の考え方が威力を発揮する可能性があると思います。

キャパシティを有事に柔軟に膨張できる仕組みを予め考えておくことが、とても大切な時代なのでしょう。これは裏返してみると、リスク管理が進んだ時代には、普段はその管理が良くできていると過信してしまい、潜在的なキャパシティ・オーバーの状況を作ってしまっているのではないでしょうか。或る意味で、金融工学によるリスク管理が進んだと思っていた時に、先の金融危機が起きたのと似ています。

未来に向けた想像力。何が起きるかも知れないかを先回りして考えること。そう云ったことが大切です。今回の一連のことも、まだまだ進行形です。リーダーシップには(そして私たち自身も)、想像力を逞しく持って臨んで欲しいと思います。繰り返しになりますが、まだ進行形です。これからだと思います。