香港にいると、ここは「ブリティッシュ」なのだと感じます。ホテルの造り、ロビーで見掛けるビジネスマンのいでたち、そして様々な人と人との間のプロトコールがブリティッシュです。何を以てブリティッシュと云うかをきれいに説明することは難しいので端折りますが、とにかくそう感じます。
一方、最近の北京はアメリカンな感じがします。より正確に云うと、北京はグローバルを目指しており、その結果最もグローバルに近いアメリカンな乗りになっているのでしょう(この場合のアメリカンは、ニューヨーク気味のアメリカンです)。或る意味で北京の方が味気なく、しかし現代的で、香港の方がテイストと云うかclass(クラース:上質さ、センス、文化蓄積のような意味)を感じるのですが、最も現代的とは云えない気がします。
香港ですらそのように時の流れから少しずつ遅れる、時代の最先端でなくなっていくのでしょう。それは必ずしも悪いことではありません。日本は、巨大なテイストとクラースのある国です。アメリカンかブリティッシュかと云うと、これはどちらとも云いきれません。人間と同じように、国には歳(年令)があるのだと最近よく思います。そしてその歳に合わせて変化したり、或いは歳を意識的に変えていくことが、とても大切なのでしょう。