報道によると、取引所が取引時間の延長を検討しているとのこと。これは好ましいことです。思い起こせば2000年11月17日、当時の東証業務委員会でもその一部が議論されたテーマです。その日のことは、当日のつぶやきに書いてあります(http://lounge.monex.co.jp/column/oki/2000/11/17.html)。そのつぶやきに書いた、取引時間の延長と投資単位の引き下げ。後者は実現しました。これには裏話があり、私は時の法務大臣にまで単位株制度の改善の重要性を説明しに行ったことがあるのですが、その時同席していた故・原田参事官が単元株制度を作ってくれたのでした。

しかし取引時間の延長は中々実現しません。私たちマネックスは自ら私設取引所を開くことで、2001年1月から日本初の個人向け夜間取引を開始しましたが、取引所の対応はようやく最近始まったばかりです。一大テーマはやはり昼休み-場間をなくすかどうかだと思います。世界にも稀な取引所の昼休み。私は嘗て、前場と後場のオープニングの板寄せの流動性の大きさに着目して、このように場間を設けることの意味も認めてきましたが、今年から始まった超高速市場・アロウヘッドの世界では、市場の観点からは場間を設ける意味は大幅に少なくなっていると思います。一方で場間を開けるメリットはアロウヘッドやコロケーションと共に増えているでしょう。

よく語られるのは株式市場についてですが、国債先物市場も大変重要です。名実共に世界第2位の国債市場を持つ我が国。しかもこれから国債は更に大量発行されるであろう時代に、その入札時間中にヘッジ手段である先物市場が開いてないというのは、どう考えても変です。市場は何のために、誰のためにあるのか。その原点に戻って、この議論は進めていくべきだと思います。