穴子がようやく美味しくなってきました。「夏が近い」と云う風物詩的な感じです。蛤から浅利へ、そして浅利から穴子へ。ツメを塗る鮨ネタの旬がこのように変化していくのを味わいながら、春が来て、春が終わり、夏が来る。まぁそんな感じでしょうか。昨日は遅めに仕事を終えた後にサクッと鮨屋に寄ったのですが、子を持ち始める前の最終季節の浅利と、ちょうど香りがつき始めた穴子を食べられて、夏至の日に相応しい、季節の節目を感じたのでした。
因みにこの穴子。「尾頭(おがしら)」と云って、元来は頭よりも尾っぽの方が高級である、美味しいと考えられてきたのを皆さん御存知でしょうか?尾の方が活動が多くて美味しくなるらしいのですが、一般には知られていないため、今ではお鮨屋さんでも頭の方から出したり、或いは上席の人に頭の方を出したりします。昨日は隣のお客さんが頭の方を出されて食べていたので、その人が帰られてから、「穴子、尻尾の方を下さい」と頼みました。
本当はどっちが美味しいかと云うと、これは人の好きずきである気がします。しかしこんなことも覚えておくと、ちょっとした隠れ味になるかも知れませんね。これからの季節、鮨ネタに限らず色々な旬のものが出てきます。美味しくて、栄養価も高く、安い。夏は旬ハンターになりたいですネ。