江戸城(皇居)内堀付近に咲く春の花が私は好きです。桜がワッと咲く時もいいのですが、それよりも今頃の桃やモクレン、レンギョウ、早咲きの桜などが好きです。
どんな花もいいものですが、内堀の花はその色が暖かくて春らしく、その種類の多さが新しい季節の始まりを感じさせ、そしてその適度なまばらさが、かえって情緒を感じさせます。
「山重水複疑無路 柳暗花明又一村」
(さんちょうすいふくみちなきをうたがい りゅうあんかめいまたいっそん)
南宋の詩人・陸游の、遊山西村という詩の一節です。季節も我が国もマーケットも、この詩のように明るくなっていくことを、内堀の花を見るたびに想います。