『経済学と物理学の統合アプローチ』に関するシンポジウムに参加させて頂きました。名だたる学者の先生方に交じって、議論をさせて頂く機会も得ました。無茶と云うべきか、或いはミスキャストと云うべきか。私にとっては身に余っていたことは明らかですが、しかしなお、「脳の芯から」楽しませて頂きました。

金融と物理学には深い関係があります。デリバティブの基本となっているオプション理論も物理学から来ています。そして私は金融も物理学も大好きなのです。ですから議論全般は、まさに私の知的興味の範囲なのですが、何よりも楽しかったのは、意見が全く合わないことです。いや、正しく云うと、意見が違うのです。違うのですが、ディスハーモニーではなく、いい議論になる。和音みたいなものでしょうか。或いはカルテット?どんなに意見が違っても感情的にはならないし。

それはやはり、科学者の器量でしょうか。ビジネスとサイエンスの交流は、いつも新しい発見に溢れています。これからも偶にはこのような交流を、忘れないでいきたいと思います。