世界の金融危機は、100年に一度の出来事とも云われています。100年前となると1909年、時代は未だ明治です。日露戦争が1904~1905年ですから、日露戦争以来の金融危機だと云われても実感が湧かないと云うか、流石にそんなに長い間で最大の危機とは思えないと云うか、いずれにしろ実証不能な領域です。
日露戦争と云うと、海軍参謀・秋山真之が打たせた電文である「天気晴朗ナレドモ浪高シ」が有名です。秋山真之は私の母校(高校)の遠い遠い先輩に当たるのですが、この文章はとても憶えやすく、小さい頃に一度聞いただけで一発で憶えてしまいました。短い言葉の中に重要な意味を凝縮した文章としても有名です。天気晴朗ナレドモ浪高シ。まさに100年後の今の世相を表しているようにも思えます。
実際、物理的な天気は、この週末も(少なくとも東京では)最高でしたし、今日も空は綺麗でした。物理的な天気に限らず、日々の経済も、テレビの中では大騒ぎはしていますが、この100年の間にあった戦争時などを考えれば、遙かに穏やかな、晴朗な状況です。
しかし実はあちらこちらで高い浪が立っています。秋山真之は、そのような状況の中で、積極的に攻める点に活路を見出しました。これは今の時代にも当て嵌まるでしょう。波に飲まれることなく、しっかりと状況を見極め、「機を見るに敏」な対応をしていかなければいけないと思います。そう云った意味では、100年前も今も同じですね。