油価格が大幅に下落しています。夏の頃に比べて半値になってしまいました。高い時は下がることを願っていた訳ですが、実際に下がってみると更に大きな問題を作っているようにも見えます。アメリカの金融機関とオイル・マネー。この二つが世界に流動性、リスク・マネーを供給する二大エンジンだった訳ですが、アメリカの金融機関の大幅な弱体化・レバレッジの低下に加えて、産油国にもお金が行かなくなると、片肺飛行どころか無肺飛行になってしまいます。こうなってしまうと、あらゆるモノの値段に下方圧力が掛かってしまい、世界的なデフレになりかねないでしょう。ここで、誰かがリスク・マネーを供給しなければいけない。誰かが息を吹き込まないと、風船人形のようにヘナヘナとしてしまうかも知れません。
日本は、今の世界の状況の中で、大変強い位置にあります。円高でもあります。日本はこの状況の中でもリスク・マネーを供給できる、数少ない国でしょう。効果的にリスク・マネーを供給すれば、世界を助け、感謝され、かつ日本にとって大きなアップサイドのリターンを得ることが可能です。もちろん簡単なことではありません。リスクも一杯あります。一杯どころか強烈にあるでしょう。お人好しになってはいけません。賢く、強く、立ち振る舞うべきです。そして国際社会の一員として、重要な役割を担うことを、期待したいと思います。