ウキは単振動で上下すると、中学生の頃に習いました。水面の波も、或る一点に注目すると、単振動で上下している。マーケットの変動も一種の波です。経済活動も波。なべて世の中は、波として変動しているものが多くあります。波の中で一番単純な単振動を例に取ると、波は一見変化を続けているようで、違う見方をすれば常に或る一点を中心に循環しているだけであり、全く変化していないとも云えます。ミクロ的に見たり波の中にいると変化するが、マクロ的に見たり波の外から見ると変化していない、とも表現できるでしょう。要は波は、行ったら帰ってくるものです。

既に書いたように、世の中のモロモロの動きは波であるものが多いと思いますが、偶に波ではないもの、即ち本当に変化していっているものもあります。行って帰ってくるのではなく、行きっ放しのものです。パラダイム・シフトなどとも呼ばれるものです。問題は今自分がいる場所に起きている変動が、波なのか本当の変化(パラダイム・シフト)なのかは、中にいる自分としては中々見極めが難しいことです。仮に変動の外に身を出せても、それでも見極めは困難かも知れません。

未来から振り返らないと、判別できないことが多いでしょう。しかしそんな中でも、その二つの違いを見極めていくことが、投資に於いても、ビジネスに於いても、とても重要だと思います。それを可能にするのは、勘でしょうか、知識でしょうか、経験でしょうか?或いはチームワーク、もしくは外のネットワークでしょうか?恐らくその全てでしょう。私もそれら全てを駆使して、今の変化を見極めていきたいと思います。