かつてのボス、MDに久し振りに会いました。MDはもう68歳になりますが、その佇まいはかつてと変わらず威風堂々として、その気持ちは相も変わらず優しい心遣いに溢れており、心の底から本当に素晴らしい人だと感じ入ってしまいます。
単に優しいのではなく、男らしい厳しさがあり、価値観がクリアで、同時にとても温かく、しかしその温かさは甘ったるいものではなく、芯の通った、尊敬できる隊長のような、そんな類の人間味に溢れています。その内容は、中々文章で書ききることは出来ません。MDはアイリッシュであり、彼の義理人情の特性は、少なくとも私が知っているアイリッシュに共通するものがあります。 MDの素晴らしさに感動する時、私はどうそれに応えるべきかを考えてしまいます。答えは明らかで、自分が今度はMDのような振る舞いをすることなのだと思います。気持ちはあっても、実行することは容易ではありません。しかし未だ未だ時間はある。最良のボスであった、そして今も変わらず心のボスであるMDに敬意を表して、自分がすべきことを考えていきたいと思います。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、その後代表執行役会長。2025年4月より会長(現任)。東京証券取引所の社外取締役を5年間務め、政府のガバナンス改革会議等に参加し、日本の資本市場の改善・改革に積極的に取り組んで来た。ヒューマン・ライツ・ウォッチの副会長を務め、現在は米国マスターカード・インコーポレイテッドの社外取締役。東京大学法学部卒業。