羽生善治さんが、永世名人になられました。心からお祝い申し上げたいと思います。
云うまでもないことですが、羽生さんは将棋がべらぼうに強いです。96年には史上初の七冠独占、07年には史上最速・最年少での通算千勝、そして今回は史上初の永世六冠です。もう形容のしようがないほど、とにかく強い。羽生さんは本当に不世出の、将棋の天才だと思います。いや恐らく将棋に限らず、不世出の勝負師であり、類い希なる頭脳の持ち主であり、網羅的な意味で「ザ・天才」なのだと思います。このことは論を待たない、既知の事実でしょう。
しかし私は今回の永世名人獲得に、羽生さんの更に徒ならぬ"チカラ"を感じました。ここまで極めた最強の天才が、「負けたくない」と云う気持ち、いや気持ち以上の「気迫」をもって勝負に臨んだと云うことは何を意味するか?才能があるのが普通の天才、才能を維持できるのが真の天才とすると、才能も出力も、そして何よりも気持ちを維持できる人は、一体なんと呼んだらいいのでしょう。
そしてそんな羽生さんの戦いぶりを見て、私は本当に感銘し、感動し、そして何よりも大きな「勇気」をもらった気がします。羽生さんは凄い。羽生さんはカッコいい。羽生さんには、珍しく私は憧れます。とても真似できることではありませんが、私も羽生さんを見習って、技も気力も切磋琢磨していきたいと思います。