マーケットの動揺が止まりません。次から次に悪い話も出てきて、それらに気が取られます。こう云う時は、様々なことが、悪い方にばかり振れがちです。いわゆる”負のサイクル”に入ってしまう訳です。早晩、このような状況は止まります。以前から何度も書いているように、経済活動もマーケットも、或る意味で波の一種ですから、どこかで反転します。

しかし波に揉まれている間は、酔いもするし、いい方向が中々見えません。実際に海の波に揉まれたら、海面に自然体で浮き上がって、体制を整え、落ち着きを取り戻すことが重要です。マーケットなどの波に飲み込まれた時も同様、自らを波の外に−それは物理的には不可能な場合であっても、少なくとも精神的に−置くことが肝要だと思います。

これは政治などの世界でも同じだそうで、かつて、某米大統領にアドバイスをしている教授の話を聞いたことがあるのですが、緊急時や混乱時には、執務室から出て、バルコニーに立ち、ちょっと距離を置いて状況を見ることが必要なのだと、アドバイスしていると云っていました。本当に大統領にアドバイスしたかどうかは定かではありませんが、理屈は頷けます。このマーケットの中でも、バルコニーに出て、何か新しいものやいいものを見つけるように心掛けることが、大切だと思います。