先週の中国株ですが、上海総合指数と深セン総合指数と創業板指数、香港ハンセン指数は揃って続伸となりました。先週は旧正月の休場のため、中国本土市場は2営業日、香港は4営業日の取引となりました。旧正月の連休明け、2月22日(木)の上海総合指数は上昇からスタート。寄り付きから連休前の終値比プラスでスタートし、終盤にかけて徐々に上昇していく良い形でした。旧正月の連休中の海外の株式市場が堅調に推移したことに加え、当局が公開市場操作を通じて資金供給を行ったことから金融緩和が後退。また、旧正月に業績を伸ばしたと予想される航空関連などが大きく上昇しました。
さらに、2月23日(金)も続伸でした。この日は中国共産党中央政治局常務委員会で河北省の雄安新区の開発を加速する方針が出たとの報道から雄安新区関連が買われた他、金融株が堅調。株価は200日移動平均線に近接したところで、一度は利食い売りに押され、マイナスに転落しましたが、その後再びプラス圏に切り返しており、チャート的には小さな下髭をつける形の陽線となりました。今週の200日移動平均線の上方ブレークが期待できる形となっています。結局、上海総合指数は前週末比+2.8%の3,289.024ポイントで引けています。
香港市場は20日(火)から取引再開となりました。初日の20日(火)は大型株のHSBC(00005)が後場に入って急落し、相場の重しとなって下落からのスタートに。HSBC(00005)が急落した理由は10-12月期の業績が予想を下回ったほか、期待されていた自社株買いについても具体的な金額の示唆などがなく、期待を裏切る形になったことです。この影響を受けて中国本土金融株も連れ安となり、テンセント(00700)も後場に入ってから下げに転じました。しかし21日(水)は22日(木)から中国本土市場の取引が再開され、中国本土からの資金流入期待で一転して急反発。22日(木)は長期金利上昇で米国株が下落した影響を受けて反落となりましたが、23日(金)は反発となり、結局、香港ハンセン指数は前週末比+0.5%の31,267.17ポイントで引けています。
連休明けの香港ハンセン指数は小幅高といったところでしたが、上海総合指数は大きく上昇してきており、旧正月明けは株価が上昇しやすいとのアノマリー通り、今週は一段高への期待も持てるところと思います。なお、今週は2月28日(水)に中国の2月の中国製造業購買担当者景気指数(市場平均予想51.2、1月実績51.3)と非製造業景況感指数(市場平均予想55.0、1月実績55.3)が発表される予定ですが、これが予想よりも強い結果となってくれば、株価上昇に弾みがつきそうです。
コラム執筆:戸松信博
(グローバルリンクアドバイザーズ 代表取締役社長)