昨晩タクシーを降りると、沈丁花の香りがしてきました。私はあの香りが大好きです。フラッシュバックのように、今までの全ての春をまとめて思い出すような、そんな気持ちになります。

「人はいさ 心も知らず ふるさとは 花ぞ昔の 香ににほひける」
(古今集春歌上 紀貫之)

この歌自体は、梅の花を詠んだものでしょうが、私にとっての「昔の香りに匂う花」は沈丁花です。嗅覚はいつも懐かしいものです。記憶中枢を刺激するものなのでしょうか?ところでこのタイミングでの沈丁花は、やはり例年より1〜2週間早い気がします。沈丁花が咲いたとなると、皇居東御苑あたりでは、梅や椿も咲いているでしょう。少し早めの春を探しに、出掛けたいものですね。