先週の中国株ですが、上海総合指数と深セン総合指数は反発、創業板指数と香港ハンセン指数は続伸となりました。上海総合指数ですが、週初の10月9日(月)は上昇でスタート。長期連休明けの取引でしたが、連休前に人民銀行が預金準備率を引き下げたことを好感して一時1年9ヶ月ぶりの高値をつけました。10日(火)も国務院が医療改革の促進を打ち出したことから医療関連が高く、株価上昇を牽引して続伸。11日(水)も今週開催予定の中国共産党第19回全国代表大会(第19回党大会)を控え、当局の買い支えがあるのではないかとの期待感から続伸となり、終値ベースで年初来高値更新となりました。
12日(木)は利食い売りが先行して小反落となりましたが、13日(金)は再び当局の買い支え観測が台頭して反発。結局、上海総合指数は前週末比1.2%高の3,390.523ポイントで引けています。なお、当局の買い支えについては、中国証券当局が9月に証券大手トップを集め、党大会を前に市場安定に手を貸すよう指示したり、一部の主要な資産運用会社に対して1日の取引で売り越しにならないように注意するなどの指導が行われたとの報道が出ています。
一方、香港ハンセン指数は高値圏でのもみ合いが続いた印象です。週初の9日(月)は軟調なスタート。4日続伸の後だけに、利食い売り圧力が高まったことに加え、10日(火)に北朝鮮の建国記念日を控えていることで警戒感が高まりました。個別では連休中の中国の不動産販売動向が悪かったことから、中国本土の不動産株が下げました。10日(火)は香港政府トップの行政長官、林鄭月娥(キャリー・ラム)氏の施政報告を翌日に控え、香港の不動産株が上昇して反発となったのですが、11日(水)に発表された施政報告の内容は失望感を誘う内容で香港の不動産株が軟調となり反落。12日(木)は米国の連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録が、ハト派寄りの内容だったことから米国の利上げペースが緩やかなものになるとの観測が台頭して反発。さらに13日(金)は共産党大会を前にした中国当局の買い支えが入るとの思惑から小幅続伸となり、香港ハンセン指数は前週末比18.39ポイント高の28,476.43ポイントで引けています。
今週は共産党大会が開催予定であることから、上海総合指数、香港ハンセン指数は共に引き続き堅調な株価推移が期待できると思います。
コラム執筆:戸松信博
(グローバルリンクアドバイザーズ 代表取締役社長)