先週の中国株ですが、上海総合指数は小幅続落、創業板指数は小反発、深セン総合指数と香港ハンセン指数は反落となりました。中国本土市場ですが、今週は国慶節の長期連休で週を通して休場となり、10月9日(月)から取引再開となります。このため、先週は長期連休を前に売買が手控えられ、どの指数も大きな値動きはなく、横ばいといった印象です。上海総合指数ですが、週初の9月25日(月)は小幅続落からスタート。前週末に7つの都市が不動産に関する新規制を導入したことと、重慶や武漢などでも規制強化が図られる可能性があるとの報道から不動産株が下げました。

26日(火)は原油価格の上昇から石油株や資源株が買われ小反発。27日(水)は金融株が軟調な一方、中国の1-8月の工業利益が21.6%増となったこと、素材株が上昇したことなどから小幅続伸。28日(木)は方向感が無いなかで小反落となり、29日(金)は国慶節の長期連休に賑わうと予想される小売り・食品関連銘柄が買われて小反発。このように、小幅な上下動が続き、週を通してみると、前述のようにほとんど横ばいの動きとなりました。結局、上海総合指数は前週末比で3.586ポイント安の3,348.943ポイントで引けています。

一方、香港ハンセン指数は上海総合指数と比較するとやや大きく下落しました。週初の9月25日(月)は、香港でも本土不動産株が下落した他、iPhone8の滑り出しが低調で、瑞声科技(02018)などのアップルのサプライヤー銘柄が下げて香港ハンセン指数は1カ月ぶりの安値に。その後は一進一退といったところですが、米国の長期金利上昇に伴う新興国からの資金流出懸念や、北朝鮮が10月10日の朝鮮労働党の創立記念日や10月18日開幕予定の中国の共産党大会に合わせ、さらなる挑発行為に踏み切る可能性があるとの見方を、韓国の国家安保室長が示したこと等から全般的に軟調な株価推移となりました。結局、香港ハンセン指数は前週末比1.2%安の27,554.30ポイントで引けています。

調整気味の株価推移が続いている中国株ですが、中国の経済状況は決して悪いものではありません。株価も長期上昇トレンドは継続しており、日柄調整を終えれば再び株価は上昇してくると予想しています。

コラム執筆:戸松信博
(グローバルリンクアドバイザーズ 代表取締役社長)