先週の中国株ですが、上海総合指数と深セン総合指数、香港ハンセン指数は続伸、創業板指数は反発となりました。上海総合指数は先々週末に急騰した流れを受け継ぎ、週初の8月28日(月)から強い基調でスタート。この日は政府の意向で相場安定の為に株式を買い支えている中国証券金融が証券会社の株式買い増しを実施していたことが明らかになって証券株が軒並み高となり、1年8ヶ月振りの高値を更新しました。29日(火)も小幅続伸となったのですが、この日は前場までは強い相場展開が続きましたが、後場に入って上げ幅縮小。さすがに急騰のあとだけに利食い売りが入りやすくなりました。

30日(水)と31日(木)は小幅に下落が続きました。31日(木)の朝方に発表された8月の中国公式製造業景況感指数(PMI)は51.7と、予想の51.3や7月実績の51.4を上回ったのですが、利食い売りが続いた他、中央銀行が市場公開操作を通じての資金供給を見送ったことなどが市場心理を悪化させました。しかし、9月1日(金)は小反発。後場には一時マイナスにもなったのですが、最終的には小幅高で切り返しています。中国政府が10月18日に共産党大会を開催すると発表したことから当局が株価の安定化を図るとの思惑が働きました。また、8月のCaixin中国製造業景況感指数が51.6と市場平均予想の51.0や7月実績の51.1を上回ったことも好材料でした。結局、上海総合指数は前週末比1.1%上昇の3,367.119ポイントで引けています。

一方、香港ハンセン指数ですが、週初に大きく上昇した本土株に対し、小幅な上昇に留まっています。28日(月)は瑞声科技(02018)の好決算を評価し、大手証券会社が投資判断の引き上げを行ったことから同社株が急伸し、相場を牽引して上昇。29日(火)は利食い売りが先行して小反落となりましたが、30日(水)は本土銀行株が決算期待で買われ、再び約2年ぶりの高値を更新しました。その後は一進一退が続き、結局、香港ハンセン指数は前週末比0.4%高の27,953.16ポイントで引けています。

今週は9月5日(火)に8月のCaixin中国サービス業景況感指数<7月実績51.5>が、9月8日(金)に中国の8月の輸出(前年比)が<市場平均予想+10.0%、7月実績+11.0%>がそれぞれ発表されるので注目です。

コラム執筆:戸松信博
(グローバルリンクアドバイザーズ 代表取締役社長)